資産運用の入門書を読むと、みんな投資信託って書いてるね。
実際、投資信託って株とは違うの?
投資信託は株や債券の詰め合わせって覚えてください。
いろんな種類の詰め合わせの中から、自分の好きなセットを購入出来るイメージです。
資産運用で調べると、まずは投資信託を奨められるのがお決まりですね。
投資信託ってそもそもどんな仕組みで、いくらから買えて、どんなメリットデメリットがあるのかをまとめて見たいと思います。
私も 2018年から長期投資として投資信託の積立投資を始めました。
そんな中で商品を選ぶうちに知った事をまとめたいと思います。
1.日本の上場企業は何社ある?
日本の上場企業は何社あるか知っていますか?
正解は、2019年時点で3,600社を超えています、その中で有名企業(東証一部)は2,100社以上もあります。
東証一部上場企業って言うと、「大企業様!」ってイメージですが、実際は2/3近くの上場企業が東証一部って思うと、なんか意外ですね。
株は「一つのかごに盛るな」という言葉が有るように、上がり下がりが有るため、複数の株式を分散して持つ事でリスクを下げる事が出来ます。
では、リスクを下げる為に、東証一部の会社の株式をすべて購入したらいくらになるでしょうか?
単純計算して10万円/1社(実際はこれでは買えない企業も有るでしょうが)で1単元づつ(最低購入単位)の株式購入したとすると、約2億1000万円の資金があれば購入出来きます。
そもそも、これだけの費用を準備出来る人は、「もっと良い資産運用の仕方があるだろ」という気もしますが、まぁ、それは別の話。
しかし、私達の様な庶民でも東証一部すべての株を保有する方法があります。
それが、TOPIX連動型の投資信託を購入することです。(TOPIXとは東証一部の企業の時価総額に連動する指数の事です)
どうして、TOPIX連動型の投資信託は、日本の有名企業のすべてを持つ事が出来るのでしょうか?
株は基本的に最低購入単元で、買おうとしても1万円で買える企業なんて殆どありません。
そんな「1万円だけなら投資出来るよ」って投資家が10万人集まったらどうでしょう。
1万円を1口として10万人の投資家が集まれば、実に10億円の資金が集まってしまいます。
この10億円を使えば、東証一部企業の全株式(10万円/1社と仮定して)を約5単元づつ買う事が出来てしまいます。
つまり、この仕組を使えば、東証一部企業の全株式の「1/10万」の権利を購入した事になるのです。
この様に、みんなの力を併せてリスクを小さく(分散投資)して、利益をみんなで分配する仕組みが投資信託なのです。
2.投資信託に関わる会社
投資信託を運営している人たちは大きく分けると以下の4者に分ける事が出来ます。
- 販売会社
- 運用会社
- 信託銀行
- ファンド
それぞれ、どの様な役割を持っているのかを見てみましょう。
2-1.販売会社とは
販売会社とは、会社で言ったら営業部に当たると思ってください。
投資信託を購入したい投資家に対して、商品を説明、宣伝したり、して実際に販売を担当する会社です。
銀行や、郵便局でも投資信託を取り扱いしているのは、この販売会社にあたるからです。
販売会社は、投資家へ販売した時に発生する、購入手数料を貰う事で成り立っています。
2-2.運用会社とは
運用会社とは、会社で言ったら企画部に当たると思ってください。
実際に投資信託を構成する商品(株式、債券など)の内容を設定し、ファンドに対して、売買指示を出す会社です。
この運用会社の方針によって、エネルギー関係に特化した投資信託であったり、不動産関係に特化した投資信託などそれぞれの商品の特色を出すことが出来ます。
運用会社、信託銀行、ファンドの3社は、投資信託の購入者から信託報酬(投資額の年率5~0.5%くらい)と呼ばれる手数料を毎年貰い、それぞ3社で分配する事で成り立っています。
2-3.信託銀行とは
信託銀行とは、会社で言ったら経理部に当たると思って下さい。
銀行と言っても、私達が普段利用している普通口座とは異なり、大口の資産管理を専門に行う銀行になります。
投資家の資金は別管理されるので、万が一、信託銀行が倒産する様な事があっても、資金はきちんと担保される点を考えると、普通の銀行に預けるより安全と言えます。
(ちなみに、雑学としては、普通口座の預金は1,000万円まで保証されているので、それ以上の金額は口座を分散した方が安全性は高いですよ)
運用会社、信託銀行、ファンドの3社は、投資信託の購入者から信託報酬(投資額の年率5~0.5%くらい)と呼ばれる手数料を毎年貰い、それぞ3社で分配する事で成り立っています。
2-4.ファンドとは
ファンドとは、会社で言ったら社員に当たると思って下さい。
運用会社の決めた方針に従って、商品(株式、債券など)の金融商品を、信託銀行に預けてあるお金で買い付けする会社です。
一般的には、このファンド名がそのまま投資信託の商品名(「レオス-ひふみプラス」とか)になっていると思って良いかと思います。
運用会社、信託銀行、ファンドの3社は、投資信託の購入者から信託報酬(投資額の年率5~0.5%くらい)と呼ばれる手数料を毎年貰い、それぞ3社で分配する事で成り立っています。
3.投資信託の種類
投資信託は現在6,000を超える程、大量の商品数があります。
しかし、大きく分けると「地域」「対象」「分類」の3つの組み合わせを抑えておけば商品イメージが掴めるかと思います。
3-1.地域とは
どの国に比重を置いて投資するか、ということですね。
大きく分けると以下の様な地域に別れた投資信託が多いかと思います。
- 日本国
日本の金融商品のみに絞ったものです - 先進国
G8(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、ロシア)って呼ばれる国です - 新興国
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)って呼ばれる国です - 特定国
ブラジルのみ!など、特定国を対象としてます
3-2.対象とは
どの様な金融商品に投資しているか、ということですね。
大きく分けると以下の様な対象が代表的かと思います。
- 株式
企業の株に投資した商品です - 債券
国債などに投資した商品です - 不動産
「REIT」と呼ばれる商品です
3-3.分類とは
どの様な特徴を持った投資信託か、ということですね。
大きく分けると以下の様な分類が代表的かと思いますが、せっかくなので、それぞれちょっと詳しく説明します。
- インデックス型
「日経平均」や「ダウ平均」などの、指数と呼ばれるものに連動する投資信託です。
(日経平均であれば、225社の株価の平均を指しています)
日経平均連動型の投資信託であれば、225社の株式を単純に買い集めるだけなので手間が掛からず、信託報酬が安いというメリットがあります。 - アクティブ型
「日経平均」や「ダウ平均」などの、「指数より何%以上の成績を目指す!」などの目標を掲げ、ファンドマネージャーが運用する投資信託です。
目標を達成する為、専門家が商品選定や売買を行う為、手間が掛かり、信託報酬は高くなりますが、より高いリターンを得られる可能性があります。 - バランス型
前述で出てきた、「地域」「対象」を複数組み合わせて運用される投資信託です。
バランス型の投資信託を買うだけで全世界の債券も株式もまとめて購入って事も出来るわけです。
これも投資信託によりますが、インデックス型よりは信託報酬が高めになります。
4.投資信託の購入
いよいよ、商品を選んで買ってみようとした場合、買い付け方も種類があるので、以下で簡単にお勉強しましょう。
投資信託の単位は「口」で数えます。
多くの投資信託は大体1円/1口くらいで設定されるのですが、投資信託内に組み込まれている金融商品の価格変動によって、1口当たりの金額は日々変動します。
つまり、投資信託の運用が好調なら、それだけ1口当たりの価値が上がる為、安い時に買って、高い時に売りましょう。
- 金額買付
投資信託によって異なりますが、主に100円から買い付ける事が可能です。 - 口数買付
投資信託によって異なりますが、主に1万口から買い付ける事が可能です。 - 積立買付
投資信託によって異なりますが、主に100円から買い付ける事が可能です。
毎日、毎週、毎月など好きなタイミングで購入を細かく設定する事が可能です。
そして、積立買付はドルコスト平均法の概念で、資産運用していく事になりますので、こちらの記事も合わせて参考にして貰えればと思います!
5.投資信託の選び方
5-1.購入前の心構え
良い投資信託の条件は色々ありますが、大切するべきと言われるのは、主に以下の2点です。
- 自分の投資ビジョンにあった物
- 信託報酬が低い物
投資信託を選ぶと、証券会社のホームページで「売上げランキング上位!」とかありますが、「人気の商品は安心」と、安易に購入してしまうのは危険かも知れません。
洋服を買う時を思い浮かべてください。
「サイズは自分に合うかな?」「値段は品質に見合っているかな?」「好みのデザインかな?」
色々な事を検討して、「納得した物を買う」はずです。
他人にとって良い物が、自分にとって良い物とは限りませんよね。
5-2.投資信託の検討の仕方
投資信託の内容は証券会社のホームページから、「目論見書」をチェックする事で知ることが出来ます。
その投資信託は「どんな目標を掲げているのか?」「どんな金融商品構成なのか?」「過去の運用実績は良いのか?」など、購入前に自分の投資ビジョンにあった物かをきちんと確認しましょう。
例えば「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」について見てみましょうか・・・
- 対象
日本10%、国際90% - 分類
バランス型(株式50%、債券50%) - 信託報酬
0.6%/年
対象は、日本以外の国を対象としていますね。
そして、バランス型なので、株式、債券のどちらも購入している商品である事がわかります。
目論見書にはこうした内容がビジュアル化され、わかりやすく記載されていますので、通販カタログを眺める様な気持ちで、気軽に色々見てみると面白いですよ。
信託報酬は、0.6%/年ですから、100万円分保有したとすれば、6,000円/年取られます。
年間6,000円以上の値上がりが見込めるなら良いですが、それ以下だった場合は、信託報酬だけでマイナスとなってしまいます。
そうなると、少しでも信託報酬が低い商品を選ぶのも大切と思えるかと思います。
もちろん、「信託報酬が高くてもそれを上回る運用利益が出ればいいじゃないか!」と信託報酬が高いアクティブ型の運用成績の良い投資信託を購入するのも投資戦略の一つかと思います。
投資に失敗も成功もありません。
あるのは、最終的に儲けたか損したかだけです。
そういった部分も含めて、自分にあった商品選びを心懸けて下さいね。
6.まとめ
さて、今回は投資信託の仕組みと商品の分類を簡単に説明しました。
投資信託が初心者向けで、始めやすい金融商品であるという事がわかって頂けたら嬉しいです。
コメント